インフレ懸念が高まっています。原油相場が1バレル60ドルを超えたころから、嫌な感じはありましたが、原油相場の上昇基調は続きそうな感じですね。その他の商品相場も上昇基調で、リスクマネーの復活というポジティブな一面はあるものの、今の段階ではあまり商品相場に上昇してほしくないですね。
先週金曜日の、米5月雇用統計でサプライズがみられたことから、FRBの利上げ観測がみられ、ドルが上昇。これが商品相場の調整をうながしましたが、景気回復期待を伴う限り、商品相場の上昇は続くでしょう。そうなれば、インフレ圧力が強く意識され、債券市場に売り圧力がかかり、金利の上昇を促します。そうなれば、ローン金利にも反映され、底打ちを示し始めたアメリカの住宅市場は再び腰折れしかねません。自動車産業にも当然影響が出ますから、アメリカ経済全体に強い後退圧力がかからことになりかねません。また、今回の商品相場の上昇は投機筋の影響が非常に大きく、実需はまだまだ弱いです。去年の8月150ドル目前まで上昇した時も投機の影響が大きかったわけですが、それでもまだ実需がありましたので、明らかにオーバーシュートだったものの、80ドル割れは異常な安値水準だったわけです。
しかし、今回はまだそこまで実需が回復している印象はありません。景気回復期待から資金が流入しているわけですが、やや買われ過ぎている印象があります。70ドル以上は行き過ぎでしょう。問題はこうした価格上昇が実体経済の回復を遅らせてしまうことで、企業の活動に影響を与えることになります。原材料価格をはじめとしたコストの上昇が、企業の利益を減らしてしまいますから、各国中銀はこれを阻止しなければなりませんが、リスクマネーが原因である以上、量的緩和の中止や、利上げに踏み切らなければならないのですが、そうなると企業の資金調達に影響が出て、やはり企業活動が阻害されてしまいます。
それでも、インフレ圧力が強まってこれば、FRBも利上げに動かざるを得ないでしょう。景気は間違いなく腰折れしますが、インフレの方が脅威です。スタグフレーションに陥ってしまえば、仕事はなく、物価は上昇するという、悲惨な状況になります。景気を優先してインフレを放置すれば、物価上昇の影響で景況感は悪化し、消費は増えませんし、コストの増大から結局は企業の活動を停滞させます。日本では長くデフレが続いていたので、デフレを極端に恐れていますが、インフレの方が、長期的には遥かに危険です。FRBは政治家からの景気配慮の圧力に悩みながらも、それを押しのけて、利上げに踏み切ってくるでしょう。そしてECBやBOEも・・・。
現在、商品相場にかかっている上昇圧力は、量的緩和の作用によるものだと考えています。日本で量的緩和が機能しなかったのは、日本の金融機関がリスクを避け続けたためでしょう。日本人にとっては、リスクは避けるものですが、多くの外国人にとって、リスクは冒すものです。量的緩和が機能し始めた以上、これらの措置は速やかに終了しなければないりませんが・・・。そうなると、債券相場は、需給懸念から暴落かなあ・・・。FRBはこれからどうするんだろう・・・。
とりあえず、原油相場に注目で、原油相場が80ドルを超えてくると厄介な状況になりそうですが、我々は見守るしかありません。しかし、そろそろ、量的緩和の中止や、金利引き上げの可能性を意識しておこうと思います。今週もよろしくお願いします。
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